<   2007年 07月 ( 6 )   > この月の画像一覧

サーバー連合

昨日は会社に宿泊、今日も会社に宿泊な
勢いの柊です。こんばんは。

いよいよ明日からサーバー連合ですね。
ロハ、マレア、ゲイルで連合2だそうですが
ここでCMです。

ギルド「桜組曲」では大人な貴方をお待ちしております。
レベル・職不問、ロハンを楽しむことに前向きで
人様に迷惑をかけない、大人らしい人物なら
どなたでも歓迎します。
[PR]
by hiiragi_rohan | 2007-07-24 21:42 | 雑記

第3章1節因果の輪<3話>

痛い日差しが照りつける正午であった。野原には動物の死体の腐った臭いが蔓延し、空を飛んでいる鷹の燦爛たる羽は、午後の日差しを受けて、薄いもやに包まれたまま山の尾根に向かって、風のように飛んで行っていた。黄色の不毛な大地は白い雲が点々と打ち込まれた、青く澄んだ空と対をなして、めまぐるしくした。 土地上の生命体達はジャイアントの短い夏が気配を見せるごとに苦痛にもがいた。
フロイオン・アルコンが行方不明になって一週間が過ぎた。天気はますます夏に近づいていたので、寒さに強いジャイアントの戦士たちは暑さに疲れていきつつあった。一部は無駄なダークエルフのためにこういう仕事をしなければならないかという不平の話も出てきた。そのたびにクルレムとナトゥは荒っぽい一喝で不満を寝かしたが苦しいのは彼らも同じだった。 あたかも誰かがその跡を消したようにフロイオンに対する糸口は探せなかった。ナトゥは遠くの地平線の向こう側を眺めながら深いため息を吐いた。その時戦士の1人が近づいて彼に話した。

“ナトゥ様。首都にお客さんが訪ねてきました。”
“誰が?”

ナトゥの問いに戦士は迷いながら答えた。

“それが…身分を明らかにしなかったのです。見せたのは王家の指輪だけでした。”

部下の話に彼は眉間をしかめた。

“分かった。”

ナトゥはテントへ向かいながら、なぜか面倒なことに巻き込まれそうだという感じがした。その周囲に王家の指輪をはめている程高い身分の人はいなかった。しかもこういう頭が痛い時期に訪ねてきた人は、それが誰であっても歓迎してやれる気持ちではなかった。ナトゥがテントに入るや中には頭からつま先まで黒いマントをかぶった見慣れない異邦人が立っていた。そのためなのかテントの中はより一層黒く染まっていた。異邦人は人の気配を感じて身体を回してナトゥを眺めた。

“こんにちは,ナトゥ様.”

ナトゥはマントの中の異邦人を見てうめきを飲み込んだ。

“バタン殿…。”

バタンはマントの帽子の部分を脱ぎながらにっこり笑った。ナトゥの顔がより一層固まっていった。

“これはこれは…それほどうれしい顔ではありませんね。”
“ドラット王国の宰相がここまでどういうことですか。”

ナトゥは話を切りながら良くない気持ちを持ち出した。 彼は戦士、でずるがしこい政治家と向き合うのを極度に嫌いだった。その上バタンはジャイアント内でも認められる権力者であり、若くして宰相の地位まで上がり、今は国王の右腕であった。バタンは露骨に憂鬱な表情を見せるナトゥの話に瞬間驚いたようだったが、すぐ微笑を浮かべた。

“やはりうわさのとおりですね。それでは本論に早速入ります。”

バタンはそで中にぐるぐる巻きたくった羊皮紙の一つを取り出した。封印した朱肉の上には国王の刻印がつけられていた。ナトゥは自身の予想通り面倒なことにまきこまれることになったことを悟ってため息を吐いた。バタンは羊皮紙をテーブルの上にのせて話した。

“現在ジャイアントは苦しい状況に置かれています。 ダークエルフ側で使節団の死とフロイオン・アルコン卿の行方に対して追及をしているためでしょう。間違って意図しなかった戦争に発展することができる事柄です。あちら側では私たちが協約を破るために使節団を殺したと曲解することもできることですから。もしかしたら使節団を攻撃した群れが意図したこともそれかもしれません。それで国王は悩みの末にまずダークエルフの仕事に協力することにしました。私がここに来たものもあなたに国王の命令を伝えるためです。”

バタンは自身の挟まれている王家の指輪を抜いてナトゥに差し出した。

“ナトゥ様。レプ・トゥラバの名前で命じます。 今直ちにフロイオン・アルコン卿の行方を探してダークエルフに使節として行ってきて下さい。”
“単独行動をするという話ですか?”

ナトゥが眉毛を引き上げて浮かび上がった。

“はい。これらすべてのものは極秘に付しなければなりません。国王は戦士会の反対を押し切って単独でこのことを成立させようとされるから。”

ナトゥは低く悪口をいった。

“戦士が出ていって政治に関与しろというのですか? 身代わりで!”
“いいえ。 身代わりを選んだのだったら捨てても惜しくない人を選択したでしょう。 むしろあなたを選択したことは私の意志です。”
“どうして?”

バタンは初めて深いため息を吐いた。

“ナトゥ様は政治に関心がなくて、よく分からないだろうが、今首都エトンは戦士会の首長のノイデを中心にした国王派と私を中心にしたアカード派が対立しています。第二王子のアカードが言っていましたが、ヒューマンを攻撃しようとする国王の考えに反対してしらっしゃいます。 私は国王の右腕とうわさが立っていますが、それは国王が王子を牽制するために私を担保で捉えておいたものに過ぎません。”

ナトゥは初めて聞く話に驚きを隠すことができなかった。ジャイアント内にこういう葛藤が存在するとはただ一度も考えたことがなかった。バタンは多少苦々しい顔で話を繋いだ。

“国王は最初、嫡子のリオ殿下を失った時、鼓傷心が大きかったでしょう。ダークエルフと手を握ったのもその怒りをヒューマンに回すためです。 いくら臣下といってもひそかな感情で国事を定めることに同調することはできません。”“それではあなたはこの協約に反対するのですか?”

ナトゥの問いにバタンは首を横に振った。

“それはありません。今の状況ではダークエルフと手を握る必要があるからです。 ただしそれがヒューマンを討つためにではないということです。アカードの話はもう少し先の未来を見通しての啓示でしょう。私はその方のために私のあらゆる事をかけることにすでに決心した状態です。 あなたを選択したのも殿下を裏付けてくれるほどの能力があるのか試験してみようと思うことでしょう。もちろんあなたには選択の余地がありません。”

バタンは当たり前のような表情であきれる言葉を吐きだしていた。いくら宰相と言っても戦士を優待するジャイアント内でナトゥの名声は高かったし、一般戦士たちの間では尊敬の対象だった。 もし周囲に他の戦士でもあったなら、彼を侮辱した罪で刀を持ったとしても誰一人止める人はいなかった。ナトゥは柔弱な外見と違ったバタンの好機にむなしい笑いを作った。

“私をとても高く評価しているようですね。 あなたが試験する程私にはそのような価値がありません。”

線を引く彼の冷たい話にもバタンは相変らず毅然とした。

“こういう…ナトゥ様は私より自身に対してさらに知らずにおられたようです。 あなたならば富と権力を簡単に得ることができるはずなのに、そんなことにはまったく関心がおありにならないから……。”

ナトゥは中を浮かび上がってみるような語り口と分かりながらも分からないふりをするしらじらしいバタンの行動にますます気分が悪くなっていった。自身に向かった彼の試験はすでに始まったのだ。

“分かるならばこれ以上私に政治的な話はしないで下さい。 今回のことは国王の使いであるから敬うだろうがそれのみです。他の政治的な問題に対しては一切関与しません。 私は戦士であり、政治家ではありません。”

ナトゥの話にバタンはにっこり笑った。 その微笑には鋭さがはらんでいた。

“ナトゥ様。多分あなたが願おうが願うまいがこの勢力争いにいつかは巻き込まれることになるでしょう。 ノイデ様でさえそばに置きたい程あなたは誰でも欲を出す人物ですから。だからいつかは二つのうち一つを選択しなければなりません。私たちがダークエルフと手を握ることができないように…。”

ナトゥは彼の話中に毒があるという気がした。彼が外で話を吐きだした瞬間から彼の運命が動くように話の中に考えが束縛される気持ちだった。バタンはナトゥが人相をしかめたまま言葉なしに立っていて、マントの帽子をまたかぶりながら話した。

“行く前に一つ知らせます。私の情報通によればフロイオン・アルコン卿は国境を越えてハーフリングの国西部地域まで行ったんだそうです。ここからそんなに遠くないから十分に追いつくことができるでしょう。だがまだ誰かに追われている状況なので命が危険です。彼が死ねば貴方も大変だからなるべく早く出発して下さい。”
“分かりました。”

ナトゥが短く答えた。

“それでは、ナトゥ様。次に尋ねる時はその心に刃物が含まれていられるように願います。”

バタンは小さく笑ってみせた後テントを出て行った。ナトゥはテントの入口が開かれては閉じるまでに差し込んだ、短い日差しが眩かった。 あたかも初めから闇の中に閉じ込められていたように、彼の心に陰が落ちただった。

“君ならば、私に答を与えることができるだろうか。”

ナトゥはフロイオンを思い出させながら,使うように笑った。
[PR]
by hiiragi_rohan | 2007-07-24 21:30 | R.O.H.A.N小説

種族共通の馬

f0122608_1830491.jpg


昨晩は徹夜で仕事な柊です。こんにちわ。
最近韓国もせわしなくアップデートがされているR.O.H.A.Nです。
なんと種族共通の乗り物第二弾。
安全地帯でも乗れるペガサス。
日本に上陸するのはいつでしょうねぃ。
[PR]
by hiiragi_rohan | 2007-07-19 18:34 | 雑記

第3章1節因果の輪<2話>

しとしと雨が降る夜だった。空の月は黒い雲に遮られて姿を隠し、夜空に浮かんでいるのはただ闇だけだった。あたかも厚い毛皮に覆われたように世の中には静寂が漂った。もし誰かがその静まり返った中で刀物でも振り回したら、一瞬で耳を裂く悲鳴が溢れ出るようだった。
エドウィンとタスカーはローブを被ったまま雨に降られてドリアン牧場の村入口に立ち入った。村にはばらばらと落ちる雨音だけが一杯で、そのどこにも人の形跡を捜し出すことができなかったが、家の中では黄色い明りが流れ出ていた。二人は雨に濡れて重くなったローブとかばんの重さに手に余るように軸垂れた体でざわめいた旅館の前に立った。エドウィンが右手でローブをすっとたくし上げてタスカーを眺めた。彼の茶色の瞳には疲労が滲んでいた。

“今日はここで休んでから街ですか?”

タスカーは古くてみすぼらしい旅館に目を通しながら首をうなずいた.

“今は馬小屋ででも寝れそうだから。”

彼女も山を越えて来るためにくたびれていたので、すぐひもじい腹を満たした後、くたびれた身を横たえたかった。二人はローブの帽子を脱いで旅館の中に入って行った。旅館には雨宿りするために尋ねて来たお客さんたちによってごった返した。タスカーはエドウィンがハーフリングの主人と話をする間に周りを見回しながら空のテーブルに座った。一階の食堂には多くの種族が入り乱れ、周囲に気を遣わず、我を忘れて騒いでいた。一番内側に座っているハーフリング村の住民たちは牧畜商人たちとギターを弾いて歌を歌ったし、旅人たちは自分の冒険談を顔を赤くしたまま大きい声で長たらしく並べていた。一番目立つ集団は暗いすみに座って、殺伐な機運を振り撤いているハーフエルフだった。彼らは何が楽しいのか自分たちどうしくすくす笑ってきついビールを飲んでいた。タスカーはしばらく彼らに目を配らせた後、注文を受けるために近付いた可愛いハーフリングの少女に頭を巡らした。エドウィンは部屋の予約を終わらせて彼女の向かいの椅子に座ってローブを脱ぐところだった。

“熱いスープとパン2切れ、チーズを少し。飲む水もおくれ。ああ、そしてにんじんザラダも!”

エドウィンはにんじんという言葉に手が少々動いたが、タスカーはにっこり笑うだけだった。彼は到底自分の能力で彼女を適う才幹がないということを悟るとため息が出た。今はたとえ空回りする状況だがそれでも名目上、聖騎士である自分がこのような小さな女人の前で首を下げるしかないというのがなげかわしかった.

“ため息をつかないの! 大人の言うとおりにしていればそんすることはないというのが分からないの?”

タスカーのため息まじりで目をにらむとエドウィンは再び出そうとするため息をのんでしまった。あの時そばのテーブルで快活な男の声が聞こえた。彼らは牧畜商人のヒューマンたちだった。

“お前そのうわさ聞いたか?”

目が垂れていて、帽子を耳までかぶったケンが向こう側に座っているショーンに聞いた。ショーンは頬がうす赤く、あごひげがもじゃもじゃした男だった。

“何のうわさ?”

彼は別に関心がないというようにそっけなく返事した。

“ショーン、 驚かなくなよ。あのな、 グラト要塞が崩壊したと言うんだ!”

ケンが誇張した顔をしてショーンに期待に満ちた目つきを送ったが、彼はむしろ鼻であしらった。

“ケン、それは誰もがもう知っている事実だ。何ヶ月も前の事だ。私はまた何かすごいことを言うと思ったら…….”

ケンは自分を無視するショーンの言葉に気分を害したのか、テーブルをどかんと叩きながら大声で言った。

“それではこれは知っているか? 神さまが俺達R.O.H.A.N大陸のすべての種族を殺そうとしている! 一つも残さず!”

ケンの言葉に急ににぎやかした旅館が水を差したように静かになった。彼は自分があやまちを犯したということを悟って話をごまかした。

“いや、単にうわさなだけだから……。”

しかしもう食堂の中には不運な機運が漂っていた。まるで黒い霧があっという間に群がって来て視野を遮られるように、人々は目の前に突きつけられた真実に息苦しがった。エドウィンさえグラト要塞の話が出た時は身が硬直されてしまった。いまだに彼はあの時の惨状を忘れることができなかった。たぶん一生忘れることができないと思ってからはいたが、胸が抜けたまま神殿に首をぶら下げられて死んだビクターとモンスターに変わってしまった仲間たち、お互いに向けて定めた刃に命を落としていった兵士達の姿が鮮かに目にめりこんで彼の心臓を締め付けた。エドウィンはその苦しさにこっそり唇をかんだし、それを見たタスカーが彼の手を握ってくれて言った。

“つらい時はあなたがひとりではないということ考えるのよ。”
“タスカー…….”

エドウィンは元気なく笑ったように見えた。あの時食堂に落ちた静寂を壊して内側で歌を歌ったハーフリングの住民が搖れる目つきで言った。

“私もあのうわさを聞いた事がある。モンスターが私たちを攻撃することも神々のためだと……。”

彼の言葉に横でギターを弾いていたハーフリングが震える声で否定した。

“まさか……。それでは神官たちは何の話を我々に言っているんだろう。そう思わんか?”
“そうだ、そうだ。シルバ神は絶対に私たちを捨てる方ではない。”

彼と同調して向い側に座っているヒューマンの牧畜商人も力強く首をうなずいた。

“そう。神々は私たち捨てる方ではないでしょう!”

彼らはお互いにうわさが偽りというのを確認して、どうしても心細い思いから脱出しようと試みた。しかし彼らの対話を聞いていたハーフエルフの一団の一人がおこがましいというように皮肉った。

“馬鹿野郎ども。神はとっくに俺たちを捨ててるんだ。そうでなければモンスターが人を攻撃するのにどうしてじっとしている?”

すると食堂の中にいたすべての人々が驚愕した表情で声の主人公に頭を巡らした。男は闇の中に座っていたためにうっすら笑っているように見えたが、たちどころに上体を現すと同時に、濁った茶色の瞳が人々の視野に入って来た。彼は金色と茶色の中途半端な髪の毛を長く垂らしたまま、 胸と手足には甲冑をつけていた。非常に生意気ながらも鋭い雰囲気の男だったが、 人々は彼をピル傭兵団のカエール・ダートンだとつぶやいた。カエールを認識した数人は浅いうなりを出して視線を回避した。

“もしかしたら初めから神はいなかったのかもしれないな。そうではないか,聖騎士?”

急にカエールがエドウィンに視線を投げながら問いかけた。エドウィンは彼の厚かましい言いぐさに眉をひそめた。

“翼を付けたような盾と十字架…そのブローチは明らかに聖騎士だけがつけることができると知っているが?”

カエールの言葉にエドウィンは自分のブローチを見下ろした。

“どうだ? 神さまがいると思うか?”

彼は最後まで返事を聞かなくてはならないと言うように、鋭い視線をおさめなかった。エドウィンは自分を睨むカエールの目を回避せずに言った。

“いるから猜疑心も生まれるのであろう。”

カエールは彼の返事にあまり満足することができないといった表情だった。

“う~ん。定石みたいな返事だね。”

エドウィンは男の皮肉る言いぐさにちょっと頭に来て聞き返した。

“それではあなたは?”
“俺?”

カエールが自分を示しながら笑った。

“そうだな、いるとも思わんし、いなくてもただいないってだけといったところか?”

彼は自分で言っことが面白いのか、涙まで流しながらくすくす笑い、席をはたいて起きた。 周囲に座っていたハプエルプ傭兵団の群れも共に立ち上がった。

“聖騎士らしくないな、お前の心には神さまに対する不信が一杯だね。今度会う事があったらどんなに変わっているか期待している。”

カエールは終わりまで彼をあざ笑って傭兵団の群れと一緒に離層の宿所に上がった。エドウィンは聖騎士でありながら自信ありげに神が存在すると言えなかったことに苦笑が出た。彼も自分がグラト要塞の仕事以後で神に対する猜疑心を抱いているということが分かっていた。そしてその猜疑心のあげく、ある真実が彼の心を重くするというのも。

“その話どこで聞いたの?”

急にそばの人々の対話を静かに聞いていたタスカーが席でむっくり起きて男の胸ぐらを引っつかんだ。

“何、何の言葉です?”

男は彼女の荒い行動に荒ててどもった。

“さっきラウケ神団がどうこうって言ってたでしょう!”

彼女が普段らしくなく、興奮して叫んだ.

“私はそのまま、ラウケ神団がそんなうわさをまき散らしたと言っただけですよ。何が間違っていましたか?”
“そのラウケ神団、どこで会ったの?”

タスカーは興奮して胸ぐらをもっと強く握りしめた。

“ごほんごほん。これちょっと置いて話してくださいよ! 人を殺すつもりですか!”

ケンは手助けを荒々しく拒んでkかっと怒るように叫んだ。

“シルバの神殿の先で会ったよ! なんだってんだ?”
“いつ?”
“二日前に! ホントに……。”

ケンは頭に来て地べたに拳でごつんと叩いて席を離れた。しかしタスカーははその場に固まったように立って何か夢中になって考えていた。エドウィンは理由が分からなかったが、彼女の深刻な表情に声を掛けることができなかった。そうして彼女は決心がついたようにエドウィンに背を向けた。


“エドウィン, 申し訳ないがリマには一人で行きなさい。”
“何事ですか?”

彼の問いに彼女はためらうように控え目に言った。

“私の息子を捜しに行かなければなりません。”
“息子?”

エドウィンが驚いて問い返した。

“実は今度の旅行もラウケ神団に巻き込まれて家を出てしまった息子を尋ねるためなの。神々が私たちを捨てたという話に絶望して家を飛び出したのよ。”

タスカーは悲しい瞳をした。

“名前は何ですか?”

エドウィンが彼女を慰めるために話題を変えた。

“エミール……。”
“それでは私もともにエミールを尋ねに行きます。どうせそちらも見て回るつもりだったから。”

エドウィンの言葉にタスカーの目が一瞬大きくなってからしっとりと染み付いた。

“あなた、意外にやさしい子なのね”

エドウィンは急に自分の頭を撫でる彼女の行動に荒てて顔を赤くした。

“照れくさがることはないわ。私はあなたより年上だから。”

タスカーは普段のように皮肉に笑いながら言った。エドウィンはまるで子供を扱うような彼女の行動にため息が出たが, しばらくはこのままが良いと考えた。彼女が自分の息子を捜す前まで自分もこの道に沿って行ってみるならばいつかは真実が分かることができると言う気がした。
[PR]
by hiiragi_rohan | 2007-07-19 18:21 | R.O.H.A.N小説

第3章1節因果の輪<1話>

地上のどこの誰も接近できない青空の都市アルピア。ここは下位神達が生きる世界で、日増しに廃虚に変わっていく大陸と違い、神々の祝福を受けて緑樹が茂り波がうねる美しい都市であった。その中心には純白の城、ラコンがかたつむりの殻のようにぐるぐると巻かれたような姿でそびえ立っていたし、城周辺では森と湖畔が青い海の空のように広く繰り広げられ、風が吹く度にうねった。しかし生命力が感じられる存在はただ一つも見られなかった。 知恵の神ロハは誠意ある窓側にぼんやりと立って冷たい視線で地上を見下ろした。ロハは五下位神達のリーダーで、兄弟・姉妹達の年長者であり、最も冷徹で理性的な神だった。彼はその深く黒い瞳で千里の先を見れるし、生きているすべての生命体の精神を支配することができた。だが唯一主神オンの刻印を持った存在達だけはどうすることもできず、美しい風景を見ながらも気分が良くはなかった。その時シルバがロハの肩を越えて、長い髪の毛を乱した。

“フロックスを追い出したというのは事実なの?”

シルバがきらめく銀髪の毛を飛び散らせながら、後ろから近づいた。彼女の野性的な灰色の瞳には好奇心がいっぱいだった。 ロハがため息を吐いた。

“あのまぬけな奴のことを私に尋ねるな。”

ロハの冷静な話にシルバがからからと笑った。

“いったい私たちの末っ子がどのようなお茶目をしたからそんなに腹が立ったの?”

彼女のいたずらっぽい語り口にロハは眉をひそめた。シルバは下位神中四番目で、愉快で活発ではあるが、性格の起伏が激しくて、自分の好み通り行動する傾向が濃厚だった。今でもフロックスに対する心配よりはこの状況を楽しんでいるだけだった。

“父に対する疑いと私に向けた反発だ。”

ロハは簡潔に話をさえぎった。その返事に彼女は驚いたようだったが、すぐうなずいたように指で自身の豊かな髪の毛をしまった。

“何、いつかはフロックスがあなたに反旗を翻すと思っていた。あの子はあなたに嫉妬するから。”
“つまらないたわ言だ!”

彼女の話にロハが恐ろしくにらんだ。

“そうね、私に火の粉が飛び散るわよね。”

シルバは彼の腹が立った姿にまたからから笑いながら、風に包まれて、あっという間に消えた。ロハは彼女が消えるや短いため息を吐いた。シルバのために考えたくなかったフロックスとの言い争いが浮び上がったためだった。フロックスは下位神の中で末っ子で、火の属性を持った神だった。性格もあまりにも直線的で行動に偽りがなかったために、ロハはことあるごとに対立することが多かった。今日の明け方だけにしても、フロックスはロハがアルピアの境界線に立ってゲイルにする話を聞いてひどくいきりたった。その時ロハがした話はぴったり一言であった。

“あちらをみろ。”

ゲイルはその後に黙黙とあとでロハが示す地上の1ヶ所をチラッと見た後軽く首を縦に振った。彼は下位神の中で三番目で地の属性を持った最も言葉が少ない神であったし、今までロハがすることに対してそのどんな疑問と疑いも抱かないまま、忠実に、その命令を遂行してきた。 すると庭園の片隅に立っていたフロックスが赤々と燃える花火のように真っ赤な瞳に怒りを入れたまま大声を張り上げた。

“いつまでこうしているんだ!”

フロックスの突然な叫びにロハがゆっくり後ろを振り返った。

“何か話か?”

彼はフロックスの激怒には神経も使わない表情だった。

“彼らを本当に皆殺すつもりなのか?”
“彼らの生命は皆主神オンによって始まった。その命を父に捧げるのは当然だ。”

フロックスがあざ笑いを流した。

“ふん、彼らもそのように考えるだろうか。 主神オンはそれを望むと考えるか?”
ロハの表情には何の変化もなかった。

“つまらない彼らの命のために主神が消えることを願うとは考えない。”

フロックスがかっと怒った。

“消えた主神が自身の犠牲で大陸が繁盛するように願うと考えるぞ!”
“それは父が蘇生した後に尋ねなさい。”

ロハはもうこれ以上の言い争いが嫌いなように、眉をひそめながら、彼から背を向けた。

“正直になったらどうだ。このままでは人生がうんざりするだけだと!”

その時フロックスが感情をこらえることができなくて当てこすって、城へ向かったロハの足取りが急に止まった。 その後に従ったゲイルが低いうめきを流した。

“君は何千年も生きてきた自身の人生にうんざりして、あらゆる事を全て壊したいだけじゃないのか!父のためだという大層な名分を前に出して、殺戮を楽しんで……。 ウウク!”

突然フロックスは激しい苦痛を感じながら、床に方ひざをついて座り込んだ。ロハが頭だけさっと回したまま、フロックスをにらんだ。

“フロックス、これ以上私を腹立たせるな。”
“なぜ? 私の話が違う?”
“何も言うな!”

ロハが大声を張り上げるやフロックスの苦痛はより一層加重されたように、からだで花火が和楽と起きた。 彼は苦しくて、うめきをしながらも皮肉りを止まらなかった。

“いっそ……。私たちに自身を殺してくれと言ったらどうだ? それで君も父の後をついて行くことができるはずなのに! 消滅という名前で!”
“フロックス─!”

ロハはこれ以上災いをこらえることができなくて怒りに包まれた。彼が怒るやその周囲でうず巻きが起きながら、体から途方もない光がふき出てきた。 それを見たフロックスが自身を押した圧力を火花で押し返しながら、徐々にからだを起こした。火花は他の力とあたってさく烈する音を出しながら、消滅してしまった。その時ロハの体が地上から少し浮び上がるとものすごい速度でフロックスに近づいた。フロックスは正面に瞬間移動したロハの殺気だった目つきに自身も知らないうちに体をすぼめた。

“私に逆らうつもりならば……。”

ロハが低くささやいた。

“いっそ私の手に死ね。”

その言葉と同時にロハの右手に凝集した光の塊りがフロックスの胸を強打した。フロックスは胸に激しい苦痛を感じながら、後に吹き飛ぶと血をかっと吐き出した。だが赤々と燃える赤い瞳に苦痛よりより一層大きい怒りを入れて立ち上がったフロックスはロハに強い火花の火炎を飛ばした。火花はうず巻きを起こしてロハを襲った。

“ロハ!”
静かに見据えたゲイルが驚いて大声を張り上げた。だが火花のうず巻きはその力を発揮することができないままロハが吹きだす光の気流に巻きこまれて、煙のように消えた。ロハは相変らず殺気だった表情で手の平を広げた。すると彼の手の平の上で透明な剣が作られた。その周囲では白い光がうごめいた。 ロハは剣を握り、さっきよりさらに速い速度でフロックスに近付いて、刃物を左肩から右下へ丸く振り回した。 彼のすばやい動作にフロックスは避けることができず、自身の火花を集めて、盾を作った。剣とと盾があたるや激しい音が発しながら、光が散った。

“ウウク”

ロハの強い力に盾が真っ二つに割れるや剣はフロックスの肩を貫いた。血が肩からざあざあと流れた。 しかしロハはそこで止めず、剣をまた握り締め、彼の首に向かって、躊躇なく打ち下ろした。その時突然薄くて透明な膜がフロックスの体をくるみながら、彼の剣を跳ね返した。ロハは恐ろしい目つきで背を向けた。 その視線の先には青い水色の頭をしたマレアがそのきれいな顔に涙をいっぱいためて彼のそばに立っていた。 彼女は下位神の中で二番目で、水の属性を持った神だった。ロハは彼女の妨害にも関わらないというように今一度剣をあげた。今回はその透明な膜が剣を包み込んで、動きを封じ込めた。

“ロハ、やめて下さい!”

マレアが差し迫っているように大声を張り上げながら、彼に近付いた。 ロハは自身の前に両腕を広げて立っているマレアをしばらく見つめた。彼女の瞳の中には恐れでいっぱいだった。ロハは深いため息を吐きながら剣をおさめた。 マレアはロハが剣をおさめるや安堵のため息を吐いた。

“フロックス、アルピアを離れろ。 これ以上私の眼に触れない方が良い。”

彼の冷たい話にフロックスが皮肉った。
“私はここで死んでも関係ないが?”
“死にたければいくらでも殺してくれよう!”

フロックスがチラッとマレアを見た。 彼女がさっと首を横に振った。

“よし、生かしておこう。 君の正義が正しいのか、私の正義が正しいのか知りたいからな。”

フロックスは肩の傷を手で押しながら、かろうじて床から立った。マレアはその姿を痛ましい目つきで眺めた。フロックスは彼女を通り過ぎながら、さっと微笑を浮かべたように見え、ふらつきながら、空に次元のドアをあけた。そして彼が倒れるように次元の文中に消えて、その全てのものを静かに見守ったゲイルは低くつぶやいた。

“全てのものは主神の思い通り。”
[PR]
by hiiragi_rohan | 2007-07-09 15:44 | 雑記

第1章2節 神を失った世界<5話>

親友が騷騷しい足つきで幕舍に跳びこんで来るとクルレムは眉毛を引き上げた。ナトゥーはクルレムを睨みながら質問した。

“ダークエルフ使節団が襲撃を受けたんだって?”
“ああ。生存者がこちら警備隊に知らせて来た。既には生存者ではないが。”
“何の話か?”

クルレムは肩をすくめて見た。しかし筋肉で押し堅められた大きな両肩は苦しがっている彼の気持ちをまともに現わしてくれることはできなかった。

“使節団に仕えていた給仕だと言っていたよ。大きい負傷を負って死骸の振りをしながら隠れていてからやっと逃げたんだと。襲撃者たちがフロイオン・アルコン殿を逃したようだから捜索してくれと言って死んだんだ。手を打つひまもなかったんだろう。捜索隊を送ってフロイオン殿を探してはいるがまだ消息はないな。”

去年初冬、ダークエルフのフロイオン・アルコンは神殿前広場でナトゥーに言った。
- 早かろうが遅かろうがこの大陸は戦争に包まれるでしょう。もう私たちはモンスターではなくお互いに向けて刀を持たなければならないです。
あの時の記憶を思い浮かんでナトゥーは顔をしかめた。

“襲撃者が誰なのか明かされたか?”
“いや。死んだ給仕は暗くて急な事だからまともに見ることもできなかったと言っていた。襲撃者たちがヒューマンと似ている言語で話し合ったという位の外には情報がない。”
“それでは逃げたというフロイオン・アルコン殿を捜し出せばやつらの正体に関して分かるというんだな。”

二人の友達は同時に長い一息を吐き出した。国境近くといえ、完全にジャイアント王国ドラット内で起きた事だ。襲撃と警備不足に対する責任はジャイアントたちが負わなければならない。この地域の警備担当はクルレムだった。彼は腹を立てるように頭を掻いた。

“困ったな。フロイオン・アルコン殿だけでも無事ではなければならないだろうに。”
“心配ばかりしている時はいやだ。”

ナトゥーは入って来る時のように早い歩みで幕舍門の方で向けた。外出用に使っている厚い毛皮を持ち上げて彼が言った。
“わが方の人員も動員して捜索隊を増やすようにする。そのダークエルフの貴族を捜し出すのがなによりも急ぎだな。”

ナトゥーが幕舍を抜けて遠くなった後にクルレムは悲観的につぶやいた。

“…襲撃者たちの目に移らず、まだ生きていたらの言葉だろう。”

現国王の異母兄弟で、生まれてからあまり大変な事なしに育った人であることだろう。そんな彼が襲撃者たちを避けて遠い所まで生還するとは思うことができなかった。襲撃者たちの追い討ちにあってやっぱり殺害されたら? クルレムが送った 1次捜索隊とナトゥーが参加している 2次捜索隊がもう彼の死骸を見つけたはずだ。フロイオン・アルコンがまだ発見されない理由は何だろう。ナトゥーが考えることができる可能性は二つだった。一番目は彼がまだ襲撃を受けたキャンプの近くのどこかで身を隠しているはずだという推測。彼は負傷を負って捜索隊に救助さえ要請することができないのかも知れない。そして二番目では襲撃者たちの目的がダークエルフ使節団の主軸であるフロイオン・アルコンの生け捕りの場合だった。しかし一体どうして? ダークエルフ使節団のキャンプ跡は妙に物静かでむしろ薄気味悪かった。たき火を立てた跡があるキャンプ中央には不寝番で立っていた護衛兵の死骸が三つ倒れていた。背後から近付いて一気に首を狙って即死させたようだった。悲鳴や警告の叫びさえ上げることができなかったはずだ。その外には全く襲撃を受けたキャンプと思うことができない位にほつれ一つない。頭ではたき火の跡の周りに建てられたテントごとに死骸が数体ずつ倒れているということが分かっていても。例外はただ一つ、たき火から一番遠く落ちて立てられたテントだった。布地を支える柱の一つが崩れ落ち、乱れた形をしているテントは激しい抵抗があったことを知らせてくれるのだった。それだけでなく崩れたテントには誰かの赤い血痕が干からびていた。ナトゥーは倒れた遺体を捜して中をのぞき見た。血痕の主人である死骸一つがテントに敷かれたまま伏せていた。肩を押して回して横たえると顔なじみの顔が見えた。ダークエルフ使節団訪問の時フロイオン・アルコンの仲間だった高慢な印象のダークエルフ貴族女性だった。細い首には血なまぐさい位に深くくぼんだ傷がついていた。そしてその苦痛は血の気が失われた顔にも明らかな表情で残っていた。

“何か跡でも見つけたんですか? クルレム様の命令で一応一通りの調査はしましたが… 暗殺者たちの名残は見つけることができませんでした。”

背後で声が聞こえた。クルレムの部下の中で1人で、いくつかの捜索組の中の一つを導いている青年だった。その不満まじりの声には自分たちの警備地域内で事件が起こって頭痛いということと、正体がわからない新しい敵が現われたのとかも知れないという恐れ、そしてナトゥーが勝手に捜索隊に合流した事への不満といった感情が入り混じった複雑な口調が感じられた。ナトゥーは答えず、ダークエルフの女の首についた傷を察した。

“痕跡を見たら短い刃を持った剣みたいだが。しかし傷の付き方が変だな…”

彼は身を起こして崩れたテントからすり抜けて来た。太陽は西の方を向けてずいぶん傾いていた。夜になればフロイオン・アルコンを捜すために捜索隊が散らばってから丸二日になる。あのダークエルフの貴族は生きているか。捜し出すことができるか。

- 先に動く者が勝機を持つ確率が高くなるはずです。そして私たちは先に動くつもりです。誰よりも先に。勝利するために。

去年の冬、フロイオンが発した言葉が浮び上がった。そのように言ったお前より先に動いた者は一体誰だ? 誰に襲撃を受けたのだ、お前たちは? 当たり前にも返事は帰って来なかったし、ナトゥーは癖のように顔をしかめるだけだった。
[PR]
by hiiragi_rohan | 2007-07-02 11:20 | R.O.H.A.N小説